2010年2月2日火曜日

シャーロック・ホームズ

Sherlock Holmes / 2009 英・米・豪

監督:ガイ・リッチー

出演:
ロバート・ダウニー・Jr
ジュード・ロウ
レイチェル・マクアダムズ
マーク・ストロング


私の中ではホームズと言えばジェレミー・ブレット。昔NHKで放送していたのを覚えている人もいるかもしれない。ジェレミー・ブレットも癖のある演技でホームズを演じていたが、ブレットとはまた味の違うエキセントリックな演技は見るものを楽しませてくれるだろう。(シャーロキアンが楽しめるかどうかは知らないが)



・キャスト・スタッフ・

監督はガイ・リッチー
「ロック・ストック&トゥー・スモーキングバレルズ」「スナッチ」の監督として有名。本作でも、切れとセンス、スピード感のある映像、魅力的なキャラクターで魅せてくれる。


シャーロック・ホームズ役にロバート・ダウニー・Jr
私の中ではホームズ役は、ジェレミー・ブレッドとか、「ホームズ対ヴァンパイア」なんてのでホームズ役をしてたマット・フルーワー(「ウォッチメン」で耳がとんがってたひと。スピルバーグ製作の「テイクン」とかにでてる)とか、「スター・ウォーズ エピソード4」のグランドモフ、ターキンを演じてたピーター・カッシングみたいな、頬がこけた役者のイメージがある。だから頬、あごから首周りにげっそりとした影が出てないダウニーJrは新鮮だったかも。私生活でのドラッグの話題もホームズにぴったりかも。


ジョン・ワトソン役にジュード・ロウ
いつも以上にジュード・ロウ的だった。映画ポスターでホームズより目立っているところとか、いい感じだ。ダウニーJr共に両者の個性というか、癖が強く、濃く出ている


アイリーン・アドラー役にレイチェル・マクアダムズ
「きみに読む物語」「パニック・フライト」「消されたヘッドライン」とかの人。唯一この映画に居場所がない気がする。それぞれが強い個性というか、灰汁が強いこの映画で、唯一平凡。アイリーンの役自体が本作脚本段階で描ききれてなかったのかもしれない。幼い顔つきで、別にセクシー役どころというわけでもない。ただ、「ホームズの女性関係」を描く意味であまりセクシーな役にはしたくなかったのかもしれない。


悪役ヘンリー・ブラックウッド卿にマーク・ストロング
「サンシャイン2057」「スターダスト」(悪役だった)、「バビロンAD」、「ワールド・オブ・ライズ」にでている。「グリーンランタン」にもでるようだ。アンディ・ガルシア系の顔。本作では、衣装とか髪とかがどことなくヒトラーを髣髴とさせていた。ガイ・リッチー監督、リュック・ベッソン製作の「リボルバー」にもでている。


ハドソン婦人役はGeraldine James
レイチェル・マクアダムズが出演している「消されたヘッドライン」の元となったイギリスのテレビシリーズ「ステート・オブ・プレイ〜陰謀の構図〜」に出演している。バートン版「アリス・イン・ワンダーランド」にもでるようだ。


メアリー・モースタン役にケリー・ライリー
「リバティーン」や「プライドと偏見」にでてる。


音楽は大御所ハンス・ジマー
「ダークナイト」(ジェームズ・ニュートン・ハワーズと共作)や、ゲーム「モダンウォーフェア2」などでも作曲している。作中通して印象的なスコアに仕上がっている。ビッグベンの鐘の音(いわゆる校内放送の音)のアレンジ曲も必聴。



・感想・

「ロック・ストック&トゥー・スモーキングバレルズ」「スナッチ」みたいな作品が好きな人にはお勧めしないわけにはいかない。ただ、「シャーロック・ホームズ」という、すでに確立されたキャラクターものということで、あまりはちゃめちゃしすぎておらず、「ホームズ」読者なら先が読める部分、なども多々あったためリッチーファンには物足りないかも。冒頭から前半部分は戦闘部分の音の使い方やスローモーションも含め特に見事だったが、終盤部分は息が続いていない印象も。

「ホームズ読者なら」とかいたが、これはシャーロキアンレベルのファンじゃなくてもわかるようにわかりやすく描かれていて、万人/「ホームズ」未読者に対する配慮でもあるのだろう。私はコアなホームズファンではないので、シャーロキアンが楽しめる部分がどれだけあるのかはわからない。


だがそんな小さなことを気にしなくても十二分に楽しめる作品である。だが、万人に楽しんでもらえる作品であることは疑いの余地はない(動物の死体とかがだめな人にはきついかもしれないが)。個性の強い俳優達の持ち味(演技と言うか、彼らの「地」なのかもしれないが)がキャラクター達にうまく生かされており、小気味良い作品に仕上がっている。リッチー監督の持ち味がうまくでているといえるかもしれない。

難しい言葉とか言い回しが多いのか、私の英語力では理解できなかったところも多々あった(「300」に巨人役で出てくる元WWFレスラー、クルガンことロバート・マイエとのフランス語での会話シーンでは英語字幕すらなかったし)が、十二分に楽しめる内容であった。


ホームズ度:★★★☆☆
味のあるキャラクター達:★★★★★
痛快/爽快感:★★★★☆

総合:★★★★☆


ちなみにMetacriticスコアは57(100点満点)、ユーザースコア平均6.8(10点満点)。IMDBでは10点中8点。


BY メインクーン