2008年 アメリカ
監督:キャサリン・ハードウィック
原作:ステファニー・メイヤー
出演:クリステン・スチュワート
ロバート・パティンソン
監督は『サーティーン あの頃欲しかった愛のこと』(監督・脚本、サンダンス監督賞受賞)や、『ロード・オブ・ドッグタウン』(監督・製作総指揮)、『マリア』(監督)のキャサリン・ハードウィック。
出演は『パニック・ルーム』の娘役、『ザスーラ』のずっと凍ってるお姉さん、でおなじみのクリステン・スチュワート。ロバート・パティンソンは『ニーベルングの指環
』(オススメ)で悪い王様の弟役、『ハリー・ポッター』の『炎のゴブレット』と『不死鳥の騎士団』でセドリック・ディゴリー役でおなじみ。
ちなみにロザリー・ヘイル役のニッキー・リードは脚本家でもあり、本作の監督キャサリン・ハードウィックと6日間で前述の半自伝的映画『サーティーン あの頃欲しかった愛のこと』の脚本を手がけたそうな。
・ストーリー・
転校生のベラ。スポーツ選手と再婚する母の元を離れ父のいる町へ。雨ばかりの陰気な町だ。小さい時に遊んだネイティブアメリカン系のなんとか君とかもいるが、その子とは違う高校、知り合いもいない。転校早々知り合いもできるが、顔色悪い5人組が気になる。そのうちのひとりはベラを避けているようだが…
・感想・
学生生活の描き方はよかった。不安、疎外感、はしゃぐ皆と一歩間がある感じ、「なんで?私くさいの?」は、不安定な年頃の学生の共感を得ることができるだろう。
ただ、本作でのヴァンパイア要素は主にこの青春恋愛映画に「禁断の」「人に言えない秘密」を作るための要素。少なくともこの1作目では「永遠の」とか、仄めかされている狼系のあんなのとかとの対決の要素は無い。ただ、本作の吸血鬼が日を浴びない理由はとても以外で面白いと感じた。
麻薬中毒っぽいふたりの主人公は、観ていて心配になってくる。確かブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』ではドラキュラのとりこになる?ドラキュラに魅了された?人物はちょっと病んでそうになるといった記述があったような気がするからこれはこれで良いのかもしれないが、吸血鬼とは関わりの無い主人公の同級生の元気そうな顔が画面に現れるとホッとする。ロバート・パティンソンは他の役の時はそこまで病んでなさそうに見えるが、クリステン・スチュワートは『ジャンパー』の時も心もち病んでそうな顔…気のせいか。
ワイヤーアクションは本作の最低の要素。これまでの世界観が一瞬にして崩れ去る。ここがもう少しましだったらだいぶ評価も変わっただろう。
キュートなアシュレイ・グリーン演じるアリス・カレンが投球するシーンは、野球アニメ見たく豪快に足を上げるのに投げ方がへなちょこで、それはそれで面白いのだが…
・まとめ・
ストーリーだけ聞くとただの恋愛系吸血鬼ものだが、なかなかの良作だと思う。アクションシーンは少ないが、最近の何でもありなアクション映画と化してしまった吸血鬼ものとは違う、学園恋愛ものに隠し味で血を少々といった感じか。
・オススメ度・
吸血鬼: ★★★☆☆
高校生活描写: ★★★★☆
アクション: ★★☆☆☆
総合: ★★★☆☆
・おまけ・
なお、次回作、『トワイライト ニュームーン』の予告編にはダニー・ボイル監督の『サンシャイン2057』のサントラ(未発売。だがこの曲は「The Surface of the Sun」もしくは「Adagio in D minor」として知られている。コンポーザーはジョン・マーフィー)が用いられている。こちらで予告編(YouTube)。
by メインクーン
2009年11月25日水曜日
2009年11月11日水曜日
ミラーズ
2008年 ルーマニア/アメリカ
監督:アレクサンドル・アジャ
出演:キーファー・サザーランド
ジェイソン・フレミング
エイミー・スマート
監督は「ハイテンション」、ウェス・クレイブン「サンドラ」のリメイクの「ヒルズ・ハブ・アイズ」。次回作は2010年公開予定「Piranha 3-D」、78年の「ピラニア」のりメイクだそうだが、「ピラニア3D」とはまたすごいタイトルである。ちなみに「P2」でも脚本とプロデューサーをしている。
オリジナルは韓国映画「Mirror 鏡の中」。
・感想・
主人公が、開始早々起きている不可思議な現象を疑ってかかることもせずに信じちゃっているあたりは
「もうさ、疑ったりとかなくていいじゃん。どうせストーリー進めるには信じさせないといけないんだし。その部分カットでいいっしょ?」なんてやりとりがあったかどうかは知らないが、そんな感じを受けた。それによりテンポよく話が進み好感が持てた。
前半は、火災が起きて廃墟になったデパートで、なんか泣き声が聞こえたりと、そこまで怖くはないが面白い場面があったのだが…話が進むにつれてスプラッターチックな要素とか、最後の方ではもうジャンルのごった煮的な感じになっていて残念な感がある。まあ、ハリウッド的な感じとも言えるかもしれないけど。
・オススメ度・
怖さ: ★★☆☆☆
グロ: ★★★☆☆
後半の展開:★★☆☆☆
総合: ★★☆☆☆
・おまけ・
米国版のポスターの方が断然かっこいい。なぜかちょっと「ダークシティ」を思い出してしまった。(こちらもキーファー・サザーランドも出てる)
どうでもいいが、主人公の6歳の息子の部屋には「Tsubasa」と「ネギま」のポスターが。
by メインクーン
監督:アレクサンドル・アジャ
出演:キーファー・サザーランド
ジェイソン・フレミング
エイミー・スマート
監督は「ハイテンション」、ウェス・クレイブン「サンドラ」のリメイクの「ヒルズ・ハブ・アイズ」。次回作は2010年公開予定「Piranha 3-D」、78年の「ピラニア」のりメイクだそうだが、「ピラニア3D」とはまたすごいタイトルである。ちなみに「P2」でも脚本とプロデューサーをしている。
オリジナルは韓国映画「Mirror 鏡の中」。
・感想・
主人公が、開始早々起きている不可思議な現象を疑ってかかることもせずに信じちゃっているあたりは
「もうさ、疑ったりとかなくていいじゃん。どうせストーリー進めるには信じさせないといけないんだし。その部分カットでいいっしょ?」なんてやりとりがあったかどうかは知らないが、そんな感じを受けた。それによりテンポよく話が進み好感が持てた。
前半は、火災が起きて廃墟になったデパートで、なんか泣き声が聞こえたりと、そこまで怖くはないが面白い場面があったのだが…話が進むにつれてスプラッターチックな要素とか、最後の方ではもうジャンルのごった煮的な感じになっていて残念な感がある。まあ、ハリウッド的な感じとも言えるかもしれないけど。
・オススメ度・
怖さ: ★★☆☆☆
グロ: ★★★☆☆
後半の展開:★★☆☆☆
総合: ★★☆☆☆
・おまけ・
米国版のポスターの方が断然かっこいい。なぜかちょっと「ダークシティ」を思い出してしまった。(こちらもキーファー・サザーランドも出てる)
どうでもいいが、主人公の6歳の息子の部屋には「Tsubasa」と「ネギま」のポスターが。
by メインクーン
2009年11月8日日曜日
インストーラー
2007年 フランス
監督/シナリオ・ダイアログライター:Julien Leclercq
インターナショナル版タイトルはChrysalis(さなぎ/繭)。ちなみに、フランスでのタイトルはAvatar(アヴァター)。キャメロンの「アバター」と被るためインターナショナルタイトルは変更か。
・ストーリー・
近未来を舞台にした映画。つまりはSFなわけだが、監督曰く、
これには納得できる。近い将来ありえるかもしれない。
作品予告編などで本編終盤近くになって明らかにされる事実が含まれているため、ストーリーは変に知ってから見るよりは知らずに見た方が楽しめるだろう。だがその部分を説明しないとその類の作品が好きな人の目に入らない可能性もある。
・感想・
あえてストーリーに関すること以外の感想としよう。
映像は綺麗でスタイリッシュ、高級感があるといっても良いかもしれない。なかなか面白いものの見せ方をしているところもある。手術のシーンは、「マイノリティー・リポート」的なありきたり感、わざとらしく見せ付ける感があり、クラシック音楽も相まってチープな感じしかしない。しかし全体的には洗練された映像。それだけ見ても損はしないだろう。
格闘シーンは「ボーン・アイデンティティー」にもスタントとして出ているスタントコーディネーター、Alain Figlarzが担当している。彼は本作では悪役を演じてもいる。「ボーン」シリーズの格闘とまではいかないものの、スタイルはそれに近く、なかなか楽しめる。敵に背中を見せる攻撃法方が効果的かどうかは疑問に感じるが。Alain Figlarzは「バビロンA.D.」でも戦闘シーンの振り付け(fight choreographer)を担当。どうでもいいが、マノン役のMelanie Thierryも「バビロンA.D.」に準主役で出演している。
しかし全体としてみると、A級映画にもカルト映画にもあと1歩と届かない感じ。ただ映像美は一見の価値あり。格闘もなかなか。SF好きな人には下手なB級映画を選ぶくらいなら本作をオススメする。
・オススメ度・
映像美 ★★★★☆
格闘 ★★★★☆
総合 ★★★★☆
・DVD特典・
私が持っているDVDはUK版で、メイキングが特典としてついているが、メイキングの撮影ですらとても美しい。どうやら「スペシャルエディション」と名のついた日本版の方が収録特典が長いようである。UK版のメイキングは25分58秒だが、Amazon.co.jpによるとこの「スペシャルエディション」には(特典は変更になる可能性があると言う記述があるが)合計49分の特典映像が含まれているようだ。
by メインクーン
監督/シナリオ・ダイアログライター:Julien Leclercq
インターナショナル版タイトルはChrysalis(さなぎ/繭)。ちなみに、フランスでのタイトルはAvatar(アヴァター)。キャメロンの「アバター」と被るためインターナショナルタイトルは変更か。
・ストーリー・
近未来を舞台にした映画。つまりはSFなわけだが、監督曰く、
プロデューサーに20年後を舞台にした未来的な映画と説明したら…えーっと、こんな感じの映画は私達の文化にないから難しいんだ。だから彼らは「つまり空飛ぶ車が出てくるようなということだな?」って即答したよ。私は「違うんだ、フィフス・エレメントやコミックみたいなものじゃない」と説明した。これは近い将来起こるかもしれないようなことを描いた作品。現在の私達が目にすることのできる最新の技術やプロトタイプでしか存在しないようなハイテクなものが日常化、陳腐化した、明日の世界なんだ。
これには納得できる。近い将来ありえるかもしれない。
作品予告編などで本編終盤近くになって明らかにされる事実が含まれているため、ストーリーは変に知ってから見るよりは知らずに見た方が楽しめるだろう。だがその部分を説明しないとその類の作品が好きな人の目に入らない可能性もある。
・感想・
あえてストーリーに関すること以外の感想としよう。
映像は綺麗でスタイリッシュ、高級感があるといっても良いかもしれない。なかなか面白いものの見せ方をしているところもある。手術のシーンは、「マイノリティー・リポート」的なありきたり感、わざとらしく見せ付ける感があり、クラシック音楽も相まってチープな感じしかしない。しかし全体的には洗練された映像。それだけ見ても損はしないだろう。
格闘シーンは「ボーン・アイデンティティー」にもスタントとして出ているスタントコーディネーター、Alain Figlarzが担当している。彼は本作では悪役を演じてもいる。「ボーン」シリーズの格闘とまではいかないものの、スタイルはそれに近く、なかなか楽しめる。敵に背中を見せる攻撃法方が効果的かどうかは疑問に感じるが。Alain Figlarzは「バビロンA.D.」でも戦闘シーンの振り付け(fight choreographer)を担当。どうでもいいが、マノン役のMelanie Thierryも「バビロンA.D.」に準主役で出演している。
しかし全体としてみると、A級映画にもカルト映画にもあと1歩と届かない感じ。ただ映像美は一見の価値あり。格闘もなかなか。SF好きな人には下手なB級映画を選ぶくらいなら本作をオススメする。
・オススメ度・
映像美 ★★★★☆
格闘 ★★★★☆
総合 ★★★★☆
・DVD特典・
私が持っているDVDはUK版で、メイキングが特典としてついているが、メイキングの撮影ですらとても美しい。どうやら「スペシャルエディション」と名のついた日本版の方が収録特典が長いようである。UK版のメイキングは25分58秒だが、Amazon.co.jpによるとこの「スペシャルエディション」には(特典は変更になる可能性があると言う記述があるが)合計49分の特典映像が含まれているようだ。
by メインクーン
2009年11月2日月曜日
永遠の子供達
2007年 メキシコ/スペイン
監督:Juan Antonio Bayona
出演:Belén Rueda
Geraldine Chaplin
Fernando Cayo
・感想・
久々に泣いた。最近映画を見ていなかったせいかのめり込めた。感情移入できたといった方が適切かもしれない。
「とても怖い」映画だと聞いていたが、実際かなり怖かった。カメラワークも怖さをあおっていてすばらしかった。脇役の女性陣も良い味を出している。主人公役のBelén Ruedaの迫真の演技もすばらしく、話の最後ではやるせなさで泣いてしまった。
自分はどうも親子モノに弱いらしく、「Life is Beautiful」や「A.I.」でも泣いたクチであるが…。それを差し引いても本作は近年まれに見る幽霊物ホラーの良作である。
・オススメ度・
怖さ ★★★★☆
やるせなさ ★★★★☆
総合 ★★★★☆
・雑談・
ちなみに本作プロデューサーは「ミミック」、「パンズ・ラビリンス」、「ヘルボーイ」シリーズでおなじみ、ギレルモ・デル・トロさん。アメリカではやはりギレルモ・デル・トロさんをプロデューサーに英語版リメイク計画も進行中だそうだ。Wikipediaによると監督のBayonaさんはこう語っているそうだ。
日本でも最近アメリカ映画「サイドウェイ」を「サイドウェイズ」としてリメイクしている。これは日本映画界からの危険信号かもしれない。(オリジナル版の現代が「Sideways」で、そのリメイク版では原題に忠実に複数形になっているのは皮肉としか言いようが無いが。)
by メインクーン
監督:Juan Antonio Bayona
出演:Belén Rueda
Geraldine Chaplin
Fernando Cayo
・感想・
久々に泣いた。最近映画を見ていなかったせいかのめり込めた。感情移入できたといった方が適切かもしれない。
「とても怖い」映画だと聞いていたが、実際かなり怖かった。カメラワークも怖さをあおっていてすばらしかった。脇役の女性陣も良い味を出している。主人公役のBelén Ruedaの迫真の演技もすばらしく、話の最後ではやるせなさで泣いてしまった。
自分はどうも親子モノに弱いらしく、「Life is Beautiful」や「A.I.」でも泣いたクチであるが…。それを差し引いても本作は近年まれに見る幽霊物ホラーの良作である。
・オススメ度・
怖さ ★★★★☆
やるせなさ ★★★★☆
総合 ★★★★☆
・雑談・
ちなみに本作プロデューサーは「ミミック」、「パンズ・ラビリンス」、「ヘルボーイ」シリーズでおなじみ、ギレルモ・デル・トロさん。アメリカではやはりギレルモ・デル・トロさんをプロデューサーに英語版リメイク計画も進行中だそうだ。Wikipediaによると監督のBayonaさんはこう語っているそうだ。
「アメリカ人は金はたくさん持っているが何もできない、私達はしたいことは何でもできるが金がない」「アメリカの業界はチャンスをつかまない、だから彼らはすでに大ヒットを飛ばした映画のリメイクしか作らない」
日本でも最近アメリカ映画「サイドウェイ」を「サイドウェイズ」としてリメイクしている。これは日本映画界からの危険信号かもしれない。(オリジナル版の現代が「Sideways」で、そのリメイク版では原題に忠実に複数形になっているのは皮肉としか言いようが無いが。)
by メインクーン
登録:
投稿 (Atom)