2009年12月12日土曜日

ミスト

原作:スティーブン・キング
監督:フランク・ダラボン




原作は、スティーブンキングです。あのスティーブンキングです。スティーブンキングがわからない人はここをクリックしてください。

彼はホラーやミステリーを主とする物語を書く作家のようで(私自身あまり知らないw)、代表作はスタンドバイミー。これはさすがに知っている人は多いと思います。

彼の原作の映画で見たことのあるのは、ランゴリアーズとこのミスト、あと超有名なスタンドバイミーですね。逆に言えばそれしか見たことないのですが、共通する特徴がハッキリしています。


1 絶対何らかの謎がある

2 謎が徐々に解き明かされていく、ドキドキ感

3 絶対誰かが死んでる、ホラー要素(スタンドバイミーは微妙かw)

てなことでしょうか。この映画は、ホラーではなくてサスペンスの区分なので、謎解き大好きには、ちょっとオススメ、そして、一応パニック映画でもあります。


見所を紹介していきます。



何かわからないけど正体不明な事象が本編後半まで付きまとう

物語は、タイトルにもあるとおり町に不穏な「霧」がかかることから始まり、終盤までその正体が明かされません。その、わからないものがずっとストーリーに付きまとうので、ドキドキ感はあります。



パニックの民衆がどう行動するのか?

パニック映画全般に言える見所の一つといえるでしょう。広い意味でパニック映画の代表といえば、アウトブレイクやザ・コア、アルマゲドン、最近のではデイアフタートゥモロー、この度公開された2012もそうですね。それらに共通して言えるのは(2012は見てませんので知りません)、「解決方法、主人公の目的が明確」で「規模が大体地球規模や国の規模」で起こる大惨事が描かれるものです。

しかしながら、この「ミスト」という映画は大きくても「町や州」といった規模で、一番きついのは「主人公たちが何をすればいいのか分からない」こと。スティーブンキングは、何があるか分からない恐怖感と、主人公たちが何をするのかというワクワク感やその行動のある意味での不安定さをうまく描いています。

特に注目すべきは、主人公を取り巻く民衆の言動、行動の数々。物語終盤まで、パニックの場はスーパーマーケットの店舗内に限られるという、なんともエグイ設定。にもかかわらず数多くの民衆がいるわけですから、どうなるか、想像しただけでも恐ろしい。




パニックの民衆たちがたどり着く、人間の性 (さが)

これが一番の見もの。という言い方はちょっと微妙ですが、でも一番関心を寄せる部分の一つでしょう。

上記の②の様な状況におかれた民衆が、物語の後半になるに連れて、いわば「狂って」きます。その描写が実に興味深い。ある人は持てる知識を活かして統率を図ろうとし、ある人は神に祈りをささげ、ある人はそれらにかまわず勝手な行動をとり、またある人は冷静に助けを呼ぼうとする。

前半ではこういった、いくつもの行動パターンに分かれるのですが、後半になるとどうなるのか。ここで、キーワードは先ほど記述した、「解決策が皆無」であること。人々は何をすればいいのか分からないんです。そこに、ある強烈な恐怖が襲い掛かることにより、人々は大きく三つに分かれます。


 1 神を信じる人
 
 2 神を信じない人
 
 3 自ら死を選ぶ人


スティーブンキングの描いた人間の最終的に行き着く「性(さが)」とはこういうものなのだろうかと感じました。と同時に、神の信仰の始まりを究極に再現したシミュレーションではないかとも思ってしまいました。

なんら宗教の観念がない場所に、突如信仰の波が広がる、その原因とはこの物語では「恐怖」です。「恐怖」たる物の存在というのは、大昔の人類が生きていたときには夜や獣などがありますから、それを再現しているように思えてしまいます。

最後に信仰を広めた主たる人が殺されるのも、見方によれば、なんとも史実を模しているようで少し気味が悪かったですね。正体不明の何かが人々をパニックにおとしいれるのは、パニック映画らしいとは思いましたが、パニックの原因よりも人間の性を描いた、究極に人間を皮肉っている作品といえるでしょう。





以上、見所を紹介していきましたが、注意として、グロイのが苦手な方は見ないほうがいいかもしれません。手首がぶら下がってたり、人が腐って虫がわくような場面もあります。ただし、ホラー好きには、③の人間描写がだるく感じられるかもしれません。つまりは万人にはオススメしない映画ということになってしまいますが、、、宗教とか、パニック映画に興味がある人、見てください。その興味がある人たちなら楽しめそうです。

ラストはあえて言及しません、気になる人はAmzonの評価を見てください。




















ストーリー★★★★☆
人間描写★★★★☆
パニック★★★☆☆



総合★★★☆☆


BY 三毛猫

2009年12月11日金曜日

ダブル・ジョパティ

監督:ブルース・ベレスフォード
主演:アシュレイ・ジャッド
出演:トミー・リー・ジョーンズ


こんにちわ、三毛猫です。前回の記事から2ヶ月ほどサボっておりまして、久しぶりに書かせていただきます。


今回紹介するのは、かなり昔(10年前ですね)&かなりマイナーな映画です。100人に聞いても98人は聞いたこともないって言うでしょうwしかしながら、Amazonでの評価はやはり、かなり高いですね。サスペンス系のストーリーになるので、ドキドキハラハラが好きな方は、特にオススメです。


この映画の見どころは、日本にはないアメリカの法律、タイトルそのまんまなんですが「ダブルジョパティ」にあります。この法律は、実際に合衆国憲法修正第5条に定められています。気になるのはその中身。この法律の示すことは「同じ事件で二度罪に問われない」こと。サラッと言いましたが、知らない人もいると思いますので、ストーリーの一部を紹介しながら説明していくことにします。


主人公は、いきなり夫殺しの罪で刑務所に服役します。ここでポイントなのが、この事件は夫は死んだと見せかけて実は生きていた、夫の自作自演の殺人事件だった事。このとき、弁護士は、彼女に夫への復讐の方法を教えます。それはダブルジョパティの制度を使うもの。


「彼女は、夫を殺したという罪には二度と問われない」



彼女はすでに「夫殺しの罪」で服役して、出所したために、その後夫を殺しても罪には問われないので、好きなだけ復讐しろってわけです。

これで物語の本題がスタート。この法律の意味からすれば、ストーーリー的にはありきたりなんですが、合法的に殺しができるとなって、夫を追い詰める彼女の姿は見ものだと思います。子供を取り戻し、夫に復讐をする母親の執念といいますか、映画を見たことのある人の感想には子供を思う彼女の気持ちに心打たれる人もいるみたいです。 彼女の憎悪もすさまじいので、その後の彼女の夫を追い詰める様が一番の見ものですね。結構ワクワクします。


てな感じで、ラストも見え見えなんですが、見てると意外にワクワク、ドキドキ感に浸れるので私はとても好きですね。

暇で暇で、なんか面白いことないかなーって時に見る映画ですかね。一応全米首位は何週間か連続取ってるんですが(笑

















ストーリー★★★☆☆
ドキドキ・ワクワク★★★★☆
爽快感★★★★☆



総合★★★★☆




BY 三毛猫