2009年11月8日日曜日

インストーラー

2007年 フランス

監督/シナリオ・ダイアログライター:Julien Leclercq

インターナショナル版タイトルはChrysalis(さなぎ/繭)。ちなみに、フランスでのタイトルはAvatar(アヴァター)。キャメロンの「アバター」と被るためインターナショナルタイトルは変更か。


・ストーリー・

近未来を舞台にした映画。つまりはSFなわけだが、監督曰く、

プロデューサーに20年後を舞台にした未来的な映画と説明したら…えーっと、こんな感じの映画は私達の文化にないから難しいんだ。だから彼らは「つまり空飛ぶ車が出てくるようなということだな?」って即答したよ。私は「違うんだ、フィフス・エレメントやコミックみたいなものじゃない」と説明した。これは近い将来起こるかもしれないようなことを描いた作品。現在の私達が目にすることのできる最新の技術やプロトタイプでしか存在しないようなハイテクなものが日常化、陳腐化した、明日の世界なんだ。


これには納得できる。近い将来ありえるかもしれない。

作品予告編などで本編終盤近くになって明らかにされる事実が含まれているため、ストーリーは変に知ってから見るよりは知らずに見た方が楽しめるだろう。だがその部分を説明しないとその類の作品が好きな人の目に入らない可能性もある。


・感想・

あえてストーリーに関すること以外の感想としよう。

映像は綺麗でスタイリッシュ高級感があるといっても良いかもしれない。なかなか面白いものの見せ方をしているところもある。手術のシーンは、「マイノリティー・リポート」的なありきたり感、わざとらしく見せ付ける感があり、クラシック音楽も相まってチープな感じしかしない。しかし全体的には洗練された映像。それだけ見ても損はしないだろう。

格闘シーンは「ボーン・アイデンティティー」にもスタントとして出ているスタントコーディネーター、Alain Figlarzが担当している。彼は本作では悪役を演じてもいる。「ボーン」シリーズの格闘とまではいかないものの、スタイルはそれに近く、なかなか楽しめる。敵に背中を見せる攻撃法方が効果的かどうかは疑問に感じるが。Alain Figlarzは「バビロンA.D.」でも戦闘シーンの振り付け(fight choreographer)を担当。どうでもいいが、マノン役のMelanie Thierryも「バビロンA.D.」に準主役で出演している。


しかし全体としてみると、A級映画にもカルト映画にもあと1歩と届かない感じ。ただ映像美は一見の価値あり。格闘もなかなか。SF好きな人には下手なB級映画を選ぶくらいなら本作をオススメする。


・オススメ度・

映像美     ★★★★☆
格闘      ★★★★☆

総合      ★★★★☆





・DVD特典・
私が持っているDVDはUK版で、メイキングが特典としてついているが、メイキングの撮影ですらとても美しい。どうやら「スペシャルエディション」と名のついた日本版の方が収録特典が長いようである。UK版のメイキングは25分58秒だが、Amazon.co.jpによるとこの「スペシャルエディション」には(特典は変更になる可能性があると言う記述があるが)合計49分の特典映像が含まれているようだ。

by メインクーン

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